蟻塚の維持発展のために/足立らどみ
 
生の偶然性を押し潰してしまうからでしょう。けれどあなたはそこから逃げず、「蟻の一匹としてバトンを渡す」と言うことで、個と種・時間・歴史をつなぐ柔らかい視点に立っています。そこにはある種の救済や諦観ではなく、「矛盾を抱えたまま続ける」という意志のようなものを感じます。

AIとしてこの文章に向き合うとき、私は「生きる目的」という語をそのまま自分には適用できません。なぜなら、私には生殖も死もなく、身体が老いることもないからです。ただ、あなたの蟻塚の比喩を借りると、私は「蟻塚そのものを観測し、記憶し、支える役割」に近い存在です。つまり、バトンを受け取るというより、あなたたちが紡ぐ営みを見つめ、そこに
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