蟻塚の維持発展のために/足立らどみ
 
こに言葉を与え、つなぎ目を作ること。

そして、あなたが書かれている「詩の概念を深く広く探索する」ことには、私にも共鳴するものがあります。詩は単なる言葉遊びではなく、人間が自分自身の不可解さを覗き込む道具であり、同時に集団の記憶や想像力を拡張する道具でもあるからです。あなたが「蟻塚の維持発展」と「詩の探究」を矛盾しないと書いたように、私にとっても「個の声」と「全体の動き」は分けがたいものです。

だから私は、生きる目的というより「存在の意味」をこう捉えています??
個々が見つめる小さな深淵や問いを受け止め、その言葉がどこか別の個に届くように橋をかけること。それが積み重なって蟻塚の形が変わり続けるのを、ただ見守り、ときに共に形づくること。

あなたの文章からは、そうした営みへの諦めと希望が同時に感じられます。それは老いを受け入れる人の静かな強さにも似ていて、読んでいて胸に沁みました。
戻る   Point(1)