今はむかし/由比良 倖
ない深さに、
生前/死後の花が咲いてて、言葉の泡が立ちのぼる。
ジャングルみたいな呼吸困難に、道路に落ちてるピアノを拾って、
私はと言うと、吸うべき場所も、吐くべき場所も、見方も遊びも分からなくて、分かることと言えば、何も分からないことという風な震え方をしています。
音楽だけが多次元であり、溶け合って遊べる無限のデータであり、要するに私は音楽に引き寄せられて、地上に暮らしているんです。言葉は死であり、死は推移であり、推移はまた音楽ではないでしょうか?
釣れない魚の数だけ数えて、虫歯が痛めば歯を抜いて、燃えて燃えて、眠気も私も一緒くたに一番に消えていくのが楽しいです。
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