ながれゆくもの/秋葉竹
 


あなたを抱いただけで
ほら
こんなに冷たいからだが
こんなに遠くを求めるなら
永遠の傷なんて
架空の無傷と同じくらいの意味

止められないのはきっと
くちづけをかわさなかったからだ


ときはゆき、ときはすぎ


目薬を初めてじぶんひとりでさせたとき
おとなになったって
想ったね

安室奈美恵を
ひとりのひととして好きになったとき
なにげなく爽やかにいきたいなと
想ってしまったのは遠いまぼろしの果て


ときはゆき、ときはすぎ


みないふりだけ
大嫌いだから
あえてそんな卑怯な奴になろうとした
真っ三角が逆立ちしたような
笑顔
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