全行引用による自伝詩 02/田中宏輔2
 
前を持つことが自立した実体として存在することである。
(ベルナール・ウェルベル『蟻』第3部、小中陽太郎・森山 隆訳)

思考を変えていくいちばんよい方法は、想像力の範ちゅうから外へ出ることだ。
(ベルナール・ウェルベル『蟻』第4部、小中陽太郎・森山 隆訳)

(…)帰りは黙りこくっていたが、その顔には許してあげるわと言うような微笑が浮んでいた。
 あの日と同じ微笑を浮かべてラウラがドアを開けてくれた。(…)
(コルタサル『母の手紙』木村榮一訳)

「(…)お料理は少し固くなっているかもしれないわ」
 固くなってはいなかったが、何の味もしなかった。(…)
(コルタサル『母の手
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