全行引用による自伝詩 02/田中宏輔2
 
だわ。そして、成し遂げられたものすべてがそうであるように、それもまた厳かなものとなった。おしゃべりや感情を洗い流してよく考えてみると、それはパーティーの最初からあったようにも思える。ただ、はっきりと見えるようになったのは、やはりパーティーがすんだ後のことで、こうして目に見える形をもつことによって、それはあらゆるものに確かな安定感をもたらしていた。
(ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』第一部・18、御輿哲也訳)

なぜあの光景だけは、輪に包まれた光を浴びたように細かい部分まで生々しくよみがえってくるのか、その前もその後も、何マイルにもわたって茫漠たる空白が続くばかりだというのに?
(ヴァージニア
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