全行引用による自伝詩。 02/田中宏輔2
エセー』第?巻・第50章、荒木昭太郎訳)
われわれは皆断片からできていて、あまりにかたちをなさない多様な組成をしているので、一片一片が瞬間ごとにおのおのべつの動きをする。われわれとわれわれ自身とのあいだには、われわれと他人とのあいだにあるのと同じくらいの相違がある。
(モンテーニュ『エセー』第?巻・第1章、荒木昭太郎訳)
「もう終りにしましょうよ」と彼は言った、「二時近いですよ」
「それももっと多くを言うために少なく言う言いかたですの?」
「それとは反対に、『聖書』のなかでは、言葉がいかに表現の新鮮さを保ちつづけてきたか見てごらんなさいよ」
「それはきっと言葉遣いがとても単純
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