全行引用による自伝詩。 02/田中宏輔2
 
のを驚いたら恥ずかしいことであるように、宇宙がその本来結ぶべき実を結ぶのを驚くのも恥ずかしいことである。同様に医者や舵取りが患者に熱のあるのや逆風の吹くのを驚くのも恥ずかしいことである。
(マルクス・アウレーリウス『自省録』第八巻・一五、神谷美恵子訳)

 万人互いに一致しているわけでもなく、個人にしても一人として自己と一致している者はない。
(マルクス・アウレーリウス『自省録』第八巻・二一、神谷美恵子訳)

魂の働きのなかには、低級なものもいくつかある。その面から魂を見ない者は、魂を完全に知ることはできない。そしておそらく、魂が単純な歩き方で進んでいるときにこそ、それをもっともよく見
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