全行引用による自伝詩。 02/田中宏輔2
 
非常に少ないものにかかっている。
(マルクス・アウレーリウス『自省録』第七巻・六七、神谷美恵子訳)

 人間には、人間的でない出来事は起りえない。牡牛には、牡牛にとって自然でない出来事は起りえない。葡萄の樹には、葡萄に自然でない出来事は起りえない。また石にも、石に特有でないことは起りえない。かように、もし各々のものにおきまりの自然なことのみ起るのならば、なぜ君は不満をいだくのか。宇宙の自然は君に耐えられぬようなものはなにももたらさなかったではないか。
(マルクス・アウレーリウス『自省録』第八巻・四六、神谷美恵子訳)

つぎのことを記憶せよ。無花果(いちじく)の樹が無花果の実をつけるのを
[次のページ]
戻る   Point(11)