全行引用による自伝詩。 02/田中宏輔2
 
しいことだった
(ジョセフィン・テイ『時の娘』2、小泉喜美子訳)

 苦しみは人生の視野を拡げ、より同情心ある人物にする。自分も同じような目に遭っていれば、他人の不幸を理解しやすくなるというわけだ。
(P・G・ウッドハウス『それゆけジーヴス』5、森村たまき訳)

(…)もっとも、悲劇といえば、かれがぼくに語ったことが、真実だとしたら(ぼくは真実だと信じていますが)けっきょく、そんなことを言えば、人間の一生なんてみんな悲劇ですからなあ。舞台へなんかへかけられるものとはまたちがった、もっと不思議な悲劇ですからなあ
(アーサー・マッケン『パンの大神』4、平井呈一訳)

人生の幸福は非常
[次のページ]
戻る   Point(11)