それはまるで毛布のなかの両の手みたいで/中田満帆
 
、2本めをやって20分、もういちどバーボンをだして啜った。もしかしたらまたぞろ、くだらないのがやって来ておれを嘲りに来るのかも知れない。そんな羞恥に耐えられるかどうか。けれど、どっかで期待してしまうところもある。女の子がおれを待ってるのかも知れない。そう考えると、なんだかわるい気もしないではない。その場の勢いとやらで1発できてしまうかも知れない。どうせ、かの女とは発展なんかないし、このままじゃ童貞で人生が終わってしまうじゃないか。そんなことを考えて1時間半。
 ぼくは家をでた。そしてジョルノに跨がり、発進する。やがて公園脇の林道にひとの姿があった。倒れた男の姿が。やつだ。ぼくは降りて確かめる。首
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