歌留多めくらず語ル鳥/歌留多カタリ
世に憚るものみな
そこはかとなくうっとうしい
馬喰横丁で暴露された醜聞(スキャンダル)の王国
咥えたばこの喉元通り過ぎる通り雨
簾の隙間から透かしてみればみるほどに
美しく馥郁たる育休のから騒ぎ
踊らされている人々の胸ぐら深く
口先三寸が跋扈する
賢き人々あまた
量子の微熱にうかされ
カルタとりかたる鳥
ハニカミもせず
軒先のツバメ冬に帰らず
モノの道理血の絵入り
人皆いいねにぶらさがる
憎まれ口が手にあまる
諦め癖が身に染まる
それが証拠にここかしこのしたり顔
みずすましの微笑する口元あたり
濡れそぼる叫び声ふたつ満つ
伊達結び帯留の綾かな朱色
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