布団の上で追想/花野誉
なったとのこと。
背筋が寒くなった。
しかし、御先祖様の御加護か、我々はツイていて、たまたま通りがかった同じマリーナの船に牽引してもらい、和歌山の港に緊急避難し、そして、たまたま乗り合わせた夫の息子と夫の友人が、和歌山でハイエースをレンタルして、他のお客様を連れて帰ってくれた。
私は和歌山なぞ、一人で運転して行ったことがなく、正直、勘弁してと思ったけれど、カーナビという強い味方のおかげで何とか和歌山に辿り着くことができた。
そこから船の修理が始まった。
なんと半年も掛かった。
ようやくお客様もつき、仕事が軌道に乗ってきた矢先に。
船の修理が、これほど大変とは思いもよらなかった
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