布団の上で追想/花野誉
 
った。
まず、船のエンジン。うちのはコマツエンジンで新しい物がない。
和歌山のエンジニアさんによれば、新しいヤンマーのエンジンにすると1,000万は掛かるが、後々を考えるとそうした方がいいと言われた。
今思えば、そうしておけばよかった。

少し顔見知りだったエンジニアさんが、己のネットワークで部品を集めてなんとかできる、1,000万は掛からない、と言うので夫はその方法を選んだ。
そのエンジニアさんの仕事は、非常に遅かった。
その間に、他の仕事をしないかと紹介もされた。
何でも、「資産家のAさんが岡山の島の一部を買い取り、そこにグランピングやコテージ、カフェやキャンプ場などを作ろうと
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