俗なる散文よ、幸せなる詩よ/杉原詠二(黒髪)
 

せいぜい性的な露出で耳目を集めるだけではないか
わたしには似合わない

歌を忘れたカナリアは
何のために生きるのでしょう
ポエジーなき散文は
原子爆弾の破裂と等価でしょう
狂った公害は
生まれた意味を破壊するでしょう
精神を侵す日常は
犯罪心理に辿り着くでしょう
わたしたちは
歌を歌わなければ
気がおかしくなってしまうのです

あの人だけは美しい歌を歌える

すべての時が徐々に詩に変わっていく
あなたとの愛が
史上最高の詩の中で結実する

わたしのユートピアにさよならを
本当のパラダイスを迎えるために
限りない美しさを持つ生き物たちが
煩悩もなく周
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