想う想い/秋葉竹
 

 

《しあわせとはなにかみせてほしい》
震える声で云われたけれど
僕は子どものころから
しあわせを夢みる
だけの飛べないとりだったよ

泣きそうな声で希まれたけれど
僕はすこし大きくなって
しあわせを振り切りたい
血まみれのイノシシになりたかったよ


AIが
すべてを理解したうえで
答えてくれるこんな世界になるなんて
あの頃は想いもしなかったな

ホワイトへ
より
ホワイトへ
世界は向かっている

うすら汚れた僕の心の隙間にさえ
ひとしきり涼し風が吹いて
こんな世界に生きるのも
まぁ、悪くないのかなと想おうとしている

AIが

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