STRAWBERRY HANDKERCHIEFS FOREVER。/田中宏輔
7、菊地有子訳)
この起源は、ハンカチではなく、血でもって、さらに遡ることができよう。フレイザーの『金枝篇』第二十一章・四に、霊魂が宿るという血に対する畏怖の念から、血のついたものがタブー視されたり、神聖視されたりしたとある。出エジプト記にある過越の祭りなど、聖書の様々な記述が思い出される。東條英機が、逮捕直前にピストル自殺を図ったときにも、CIC(防諜部隊)の逮捕隊とともに部屋に駆け込んだ外人記者のなかに、ハンカチをその血糊に浸して土産として持ち帰った者がいたという。(10)
次に生まれ変わるときには
(トム・レオポルド『誰かが歌っている』18、岸本佐知子
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