味気ない朝/山人
 
は、本来何もしない気でいたが、なぜかすべてやってしまおうか、という気分になった。浴室を2つ掃除し、部屋掃除もしサッシを久々に拭いた。自分用の洗濯もしすべて終わり、一時パソコンの前にたたずんでみたが、ふと外に出るべきであろうという気になった。すぐ近くの採石場に行き、出たてのフキノトウをレジ袋に詰め込み、あちこち歩いた。楽しくはなかった。普通の人は山菜採りを楽しいと思うのだろう。私もかつてはそうだった。とってきた山菜の後始末は母がやってくれた頃には採ることだけが趣味であったが、いまではその後の処理はすべて自分がやらなければならない。大きなボールに湯を沸かし、塩茹で。良くごみを洗い、小さくパッキング後冷
[次のページ]
戻る   Point(6)