味気ない朝/山人
後冷凍する。どれだけ採れば、どれだけの手間暇がかかるかという計算をしないといけない。そんなことをこれからしばらく続ける必要がある。ただ、時にそこら辺の野鳥と会話したり、いつもの大木やら花などがあれば、彼らとその場その場の会話がある。彼らと触れ合うとき、私は、ああ私がいるんだなと、ほっこりしてしまう。自分の居場所はここにしかないんだなという感覚だ。誰ともつるまず個で生き続ける(偶然にも繁殖はあるが)彼らを見ていると山の体内にいるような感覚になる。
今日の朝は1時半に目が覚め、それ以来こうしてうだうだと過ごし、気が付けばもう5時近くなってしまった。人臭い人々の中での一日がまた始まる。そして何食わぬ顔で作業に勤しむ私がいる。現実がにょろにょろと触手を伸ばし、朝を脱糞している。まったく、なんて朝というのは味気ないものなのだろう。
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