古い古い一冊の雑誌のような人にわたしはなりたい/ただのみきや
れた祝祭の門の向こうから
われら人類のつなぎ合わされた姿なき傷跡が
カーニバルの群衆のように
おどけて見える軍隊の行進のように
連結に連結
連続に連続
複雑に編み上げられ
悲しく愚かな
狂気の鎖帷子となって
われらのつめたい思考
煮えたぎる情念の
見えざる糸が手繰り寄せたとはつゆ知らず
今もかすかに残された
原初からの遺産
ささやかな芽吹き
絶望と虚無に対するたましいの
やわらかな抗いさえをも蹂躙し
誰の手にもとって投げやすい
ことばの石ころで埋めつくす
不安の旗印のもと
内気なものが相集い
手負いの獲物を見つけては竹やりで追い立てる
正義の白い粉で
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