鈍い夜の後の幻想/ホロウ・シカエルボク
確かめているのかもしれない、あるいは、ここが現実なのかどうかを―好きなアーティストの新しいアルバムを買いに行こうかと考える、でも大好きなドラマーはもう死んでしまった、大いにバランスを欠いているのではないかと思うとどうしても手が出ない、でもラジオで偶然耳にしたバラードは凄く出来がよかった、ラジオに感謝せざるを得ない、それがいつの時代でも…出かける前に洗濯をしておこうかと考える、洗濯機は数週間ずっと調子が悪い、脱水の途中でエラーが出て止まってしまう、排水パイプを洗ったり防振ゴムを敷いてみたりしたけれどどうしても途中で根を上げてしまう、洗うこと自体は出来ているのでそのまま干しているけれどどうにも居心地が
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