『純』/秋葉竹
愛ってなんだろうなんて
だれもが顔をそむける問いは
むろん、忘れるべきだな
世の中に美しいものがあるならそれは
ぜったいの愛ではなく
煌めきの
恋
だから
光が踊って
世界が眩しいほど煌めいて
白昼でさえ
睦あえる
恋の一瞬
それを無邪気と呼んでも良いし
それを真芯と呼んでも良いよ
ただ時という名の風だけが
ビュービューと
ピューピューと
吹き
吹き
吹き流れつづけた
もし
世の中に永遠があれば良いな、と
心の底で想えたのは
傾いた三日月が
バンパイアの一族の終焉のように
美しくみえたからかもしれない
愛が
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