悪魔のあいうえお/菊花紫煙
 
貴様は今は一人だな」
「ああ、そうさ、あまりに一人で居すぎることに慣れきってしまって、徒党を組む方法を忘れちまった」

悪魔はくっくっくっと卑屈に笑う

「次は え だ 次は え!」

え? えー え……え!?


永遠の生命を約束された美男子が汚い沼に沈んでいた
ブスブスとガスが湧いては、沼の表面から穴ぼこ開けて吹き出すような
きったねー沼さ
そこを通らねばならない異人がいた
お約束どおり美男子がぬっと姿を現す
いくら美しくとも、こんな汚れて人の寄り付かぬ寂しい場所にあっては人肌が恋しくなるものだ
貴様の見てくれとは一切違うが、人恋しさは負けてはおるまい
抱いて
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