はじまりが歌えているかどうかが/ホロウ・シカエルボク
を走る観光列車、みんなもう新生児の存在すら信用してはいないだろう、この窓がそんな窓じゃなくてよかった、花壇の世話を続ける君が見える窓でよかった、俺はひとつ息をついて魚に集中する、実際のところ捌くのはそんなに上手くない、昔料理の仕事をしていたから何度かやったことがあるという程度だ、料理の仕事といっても出来合いを合わせて温めて味付けをするくらいのことだ、もちろん、それくらいのことでも人によって出来の良し悪しというものはもちろんあるのだけれど、俺はたまたまそういうことを上手にすることが出来た、でもそれ以上のことを覚える気が無かったからあまり特別偉くなったりすることはなかった、当然だ、金の為に時間をドブに
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