悪夢は私を感光しない/由比良 倖
 
場がない、
私は膨張を止めない、このまま
何もかもが冷え切ったとしても、
頭の中の会話だけは終わらない。

「“She said ‘Welcome’and…”.、」
「分かります。彼女は、神様が何かと仰っていましたが」
「あなたは神様の一部のようなのに、カメラが無いみたいなことを言ってました」
「彼女はカメラを持っています。多分‘camellia’の傍で二人を撮りたいから、寄ってくれと仰ったのではないでしょうか」
「いえ、確かにカメラと言いました。けど、あなたの言うことも正しいみたいです。
 …それならあのツバキでしょう」
「彼女は何故神様といったの?」

(血のよう。光
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