失くしたナイフ/ホロウ・シカエルボク
ものはまるで見つからなかった、警察を呼んでみればそこに誰かの指紋があることくらいは突き止められるかもしれないが、もしその時出てきたものが俺のものであったとしたら狂人として片付けられてしまうだろう、だから俺はしばらくの間そのままにして、思い出すことが出来るかどうか試すことにした、ナイフ、なぜ俺がそんなものを購入したのか?俺はアウトドアな趣味など無い、外に出ると言えば散歩くらいだ、本来そんなものが必要な局面などまず訪れない、理由はただひとつ、形が好みだったのと、怖ろしく切れ味が良かった、触るだけで切れてしまうので気を付けてくださいね、と購入したショップの店員も言っていた、まあ、実際何かに使用したことは
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