NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『人質、或ひは齒母神』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
りの者にとつても。
直ぐに50音を並べたボードが用意された。これを指し示して、彼の云ひたい事を云ふのである。「コ・ン・ニ・チ・ハ。ボ・ク・て・お・デ・ス。ス・テ・キ・ナ・ナ・マ・エ・ヲ・ツ・ケ・テ・ク・レ・テ・ド・ウ・モ・ア・リ・ガ・ト・ウ」たゞ惡夢もまた、始まりかけてゐた事には、彼は気付かなかつた。生と云ふのは、どの道惡い夢を包含してゐるものである。その家の子供は、余り頭が良くなかつた。テオを、友達に見せびらかし始めたのである。
直ぐに噂は廣まつた。カンテラ、異様な「侍」の風體をした男が、迎へに來たのは、それから程なくの事だつた…
テ「兄貴はだうやつて、僕を引き取つたんです?」カ
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