frantic/ホロウ・シカエルボク
 
からさらに十年ほどかかった、それからあとは要らないこだわりをなくしてみたりしながらここまでやって来た、正直自分の中でこれだけ明確に変わったというようなものは無い、俺がそれに向かう理由はいつだってひとつだけだったから、そして今はじっとして夕暮れを待つ世界の中に居る、肉体が解放される時、精神が解放される時、そんな時は人生の中でそんなには多くない、普通に生きていればそうだろう、でも求め続けていれば、何度もそんな感覚を味わうことは出来る、表現の根源にあるのは快楽だと思う、やるべきことをやり尽くした後に生み出される快楽の味、それが幾人もを虜にしてきたのだ、自分の指先から今出て行くべきものが次々とディスプレイ
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