NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『倖せの黄色いジムニー』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
い」カンテラには分かるのだ。【魔】の臭ひがぷんぷんする。
「お化け、取り憑いてるの、この坊や」「お化け?」
佐武ちやん、「まあ試運轉してみてよ。そしたらご理解願へるかもよ」
じろさんを殘して、運轉席には悦美、助手席にはカンテラ、でクルマを走らせてみた。特にどこまで、と云ふ制限は佐武ちやんは設けなかつたので、ドライヴと洒落込んだ。首都?に載る。すると、フロントミラーに誰か映つてゐる。【魔】慣れしてゐる悦美は、慌てる事はなかつたけれども、ゐもしない何者かゞ、後部坐席に坐つてゐるのだ。
「ギャレエヂ」に戻つてきた二人、「確かに妖魔の類ひが取り憑いてゐる…」後部坐席は、見ると、水で濡れてゐた。
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