再び抒情詩の時代へ/岡部淳太郎
。つまりは、いかにも現代詩ですというような詩はいったん無視して、抒情詩のみに絞って業界全体を盛り上げてほしいと思うのだ。結局は人々が詩に反応するのは抒情詩であると思うからだ。一部には現代詩のここまでの達成を無にすべきではないという考えもあるだろうが、そういう高踏的なことをいまさらやっても仕方あるまい。そのようなことをしてきたから、現代詩は袋小路に追いこまれてしまったのだから。
ところで、パンクロックという音楽がある。一九七〇年代に複雑化したロックに対して、ロックの初期衝動を取り戻そうとして、ロック本来のシンプルな熱さを取り戻そうとした動きとしてあったように思う。同時に、前世代のロックのスターた
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