孤独感についてのメモ/由比良 倖
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私は寂しく歩いていた。息苦しくて。透明な袋になったようで。手で掴めるような距離に孤独があって、冷たく光っていた。何もかもが。
伝説のような距離が。……この瞬間、私を堰き止めるものは何も無い。なのに私は何処に向かって一歩を踏み出せばいいのか分からない。
私の眼の中の水晶体にあなたが映ったとき、私の人生は大きく変わってしまった。
あなたはひんやりした笑みで、自分の腕を下から上まで切り刻んでいた。私がそうしていたのと同じように。……私はいつも叫びたかったけれど、人前ではいつも無表情で灰色に黙っていた。ときどき笑っていた。……何故なら私は哀しいくらいに私だからだ。私
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