孤独感についてのメモ/由比良 倖
いても、ひとりでいても、僕は僕の自尊心のせいで、卑屈になり、自滅し、住み慣れた自殺の観念の中に閉じ籠もって、面白くもないのに「死」という言葉を弄んでいる。それで、少し安心する。自殺だけが、自分の意思で選べる、楽しいことのように思える。死ぬ直前、きっと僕は心から笑える。
生活の中で使い慣れ、擦り切れるくらい繰り返され、もうほとんど何の意味も無くなってしまった言葉たち。「死にたい」とか「疲れた」という言葉を、頭の中で、あるいは声に出して、一日に少なくとも十数回は使ってきたと思う。一年間で五千回くらい。二十年間で十万回くらい。原稿用紙千枚分の「死にたい」。それはもはや言葉というより模様だ。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)