わたしに語りかける夢の話し/洗貝新
 
まるで麻酔でも打たれたかのように何の目的も構想もなく呟いたとして、それを他人に聞かせることができるだろうか。 天井に染みついた図形に幻惑をする。根拠も脈絡もない話しなのである。 それが譫言であろうと仮に現実の置き換えだとしても、きみの目の前で真顔になって話されたら、きみは相手を正常な認識の持ち主ではないと確信するだろうか否か。 わたしは今まさにそのようなことを書き込んでいるのだ。 
どうやら散文調子になってきているな。夜の獣たちが皮肉な笑いを浮かべていることだろう。この辺りで文章は展開へと導かれなければならないのだろう。詩にはリズムが大切で、何のメリハリもない文章ではつまらない。何しろ内容がない
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