或る貧困労働者の祈り/栗栖真理亜
 
しかし、オレだってこんな生活を決して望んでいたワケじゃない
大学を卒業して人並みに就職したくとも
会社はオレをすぐに虫けらのごとく追い出しソッポを向き続けてきた
オレをマトモに使ってやろうなんて気持ちはさらさらなかったのさ
そこでやっと辿り着いたのが今のこの有り様

それでもオレを生来の怠け者だと囃し立てるのかい?
世知辛い今の世の中で
無常極まる刹那を何とかもがき苦しみながら生きるオレを

それでは余りにも酷すぎる

お前はオレやオレと同じ眼に遭っている連中の立場に立った事があるだろうか?
真綿でジワジワと首を絞めるように見えない喪失感がオレを蝕んでゆく
大きな闇がオ
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