或る貧困労働者の祈り/栗栖真理亜
がオレをスッポリと被いオレを盲目にして、無気力にすらさせるんだ
灰色に汚れた分厚い壁がオレの前に立ちはだかるけれど
その正体すら解らず
ただ、抜け道のない迷路をさ迷う
オレ達の現状をもっとシッカリ瞳に焼き付けてくれ
何とはなしに少しだけ黒くこびり付いた表面だけ見て
机上の空論ばかり唱えてないできちんと伝えてくれ
もうオレのようなヤツを造り出して欲しくない
もう誰もオレのように、足掻いて欲しくないんだ
それだけが社会から食み出されてしまった
オレ達の唯一の願い
一筋の希望
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