LET THERE BE MORE LIGHT。 ──光の詩学/神学的自我論の試み/田中宏輔
である。作品を見てすぐに、これはあれだったと分類できるというのは、わたしたちが、それに馴染みを持っているからであり、それがすぐに分類できないときにのみ、作品というものは前衛なのである。モダニストたちの多くの作品が、傑作を除いて、その文体や形式が、わたしたちに驚きを与えたのも、それが初見のときか、まだ私たちの目に、それほど馴染みがないときだけである。しかし、それも仕方のないことであろう。何といっても、人間の本性に基づくことなのだから。中世の諺に、「vasanovella placent, in faece jacent./新しき壺は気に入る、古きは廃物の中に横はる。」(『ギリシア・ラテン引用語辭典』
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