LET THERE BE MORE LIGHT。 ──光の詩学/神学的自我論の試み/田中宏輔
 
つい先頃、ネットの古書店で、ロジャー・ゼラズニイの『わが名はレジオン』(中俣真知子訳)を手に入れた。三部仕立ての作品で、第二部のタイトルは、「クウェルクエッククータイルクエック」というもので、原題は、”Kjwalll’kje’k’koothai’ll’kje’k”というのだが、これは、イルカの言葉をアルファベット化したものだそうである。翻訳は一九八〇年に、原著は、本国のアメリカで一九七六年に出たのだが、このタイトルを見ても、あまり驚かなかった。もし仮に、筆者が、モダニズム詩人たちの作品を、先に知っていなければ、驚いたに違いないのであるが。そうなのだ。すべての前衛作品が、いつかは前衛でなくなるのであ
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