生きるのって苦しいばかりなんだろうか?/由比良 倖
永遠を感じられる程にきらめく感覚が、音楽の中には永久保存されている。そしていつまでも僕を待っていてくれる。音楽に恋をしているみたい。その恋はきっと一生続いて、深まり続ける。
1930年代半ばからの録音には、スタジオ内の神秘的な空気感まできちんと入っていると思う。伝説のギタリストでありシンガーのロバート・ジョンソンが1936年に録音した、弾き語りの演奏は生々しくて新鮮だし、パブロ・カザルスの『無伴奏チェロ組曲』のやはり1936年の録音も、90年も前の静謐と情念が、まるで魔法のように直に伝わってきて、すさまじくスリリング。でも、戦前にはロバート・ジョンソンよりずっと人気があったというチャーリー・パ
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