生きるのって苦しいばかりなんだろうか?/由比良 倖
 
ている間だけ、自分の中の芯がしっかり強い樹の幹のようにしなやかに身体の中心にあるのを感じる。大丈夫だ、って思う。

 僕は何を知りたいのか。それさえもよく分からなくなってしまった。でも何か知りたいことがある。何か違和感がある。今眼の前にある世界が何なのか分からない。今日でちょうど四ヶ月間、音楽のアルバムを一枚一枚丁寧に聴きながら、聴いた回数をメモしているんだけど、やっぱり一番多く聴いているのはニック・ドレイクで、これを書いている今もヘッドホンでニックの歌を聴いている。音楽はよく分かる気がする。全てが音楽のように明白ならいいのに。本来なら儚く一瞬で終わる、心と身体が本当に幸福に満ちた瞬間の、永遠
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