生きるのって苦しいばかりなんだろうか?/由比良 倖
 
のか、僕の心には分からない。

 薬もお酒も飲まなくても、ひとりぼっちを瑞々しく感じられることはある。きりきりするほど寂しくて、まるで自分が拡散していくような不安があるけれど、本の背表紙のオレンジ色とか、些細なことに泣きそうなくらいの美しさを感じる。何でもかんでも感極まったみたいに泣きそうになるのは、処方薬でアドレナリンの効果を強くする薬(SNRI)を飲んでいるからかもしれない。でも、その効果は持続しない。骨が崩れていくような心細さに、ぐらぐらして、椅子にも安定して座れない。取り敢えず煙草を吸う。三本くらい吸う。でも駄目で、睡眠薬と安定剤を飲む。ときどきお酒と一緒に飲む。そしたらそれが効いてい
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