青い墓標/TAT
がらなんの気なしに開くと、中に少しばかり文句が書いてあった。私はそれにまなざしを投げると、一つのことばに吸いつけられ、驚いて読んだ。私の胸はひどい冷気をあびたように運命の前に縮みあがった。「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという」この数行をいくども読んだのち、私は深い瞑想に沈んだ』
ベイビー・スターダスト
『そのときデミアンは、われわれはあがめる神を持ってはいるが、その神は、かってに引き離された世界の半分(すなわち公認の「明るい」世界)にすぎない、人は世界全体をあ
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