青い墓標/TAT
 
、木のいただきに、立つかすわるかしていた。私はそんなことは意に介せず、はっきり頭に残っているものから描き始めた。ばくぜんとした欲求から私はすぐに強い色でかきだした。鳥の頭は私の紙の上では黄金色だった。気のむくままにかき続けて、数日で仕上げた。できあがったのは、するどい精悍なハイタカの頭をした猛鳥だった。それは半身を暗い地球の中に入れ、その中からさながら、大きな卵から出ようとするかのように苦心して脱け出ようとしていた。背景は青い空だった。その絵をながく見つめていればいるほど、それは夢の中に出てきた彩色の紋章であるように思われた』





ヴェルヴェット

『私は紙をもてあそびながら
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