永らえる夜の中で/ホロウ・シカエルボク
 
飛び切り着飾った女が三人、部屋のベルを鳴らした、何度鳴らしても出てこないのでおかしいと思ってノブを回してみると、オートロックの筈のドアは難なく開いた、足元を見ると部屋用のスリッパが廊下にはみ出していた、それが挟まっていたせいで閉まりきらなかったらしい…女たちははじめ、男たちが留守にしているのだと思った、だが天井からなにか垂れているのに気づきそちらを見上げると、小男の顔がそこに張り付いていた、女たちは悲鳴を上げ尻もちをつき、周りの部屋に居た客たちが何事かと飛び出して部屋を覗き込み、逃げ帰ったり嘔吐したりへたり込んだりした、男二人の身体はすべてが人の拳程度の大きさに切り刻まれ、そのすべてが部屋の天井や
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