永らえる夜の中で/ホロウ・シカエルボク
い置きしていた酒を飲んでいい気分になるとさっきまでの警戒心もどこへやら、女を呼ぼうぜということになってその手の店に上玉を二、三人寄越せと電話をした、殺した男の財布にはそれくらいしてもかまわないくらいの金が入っていた、三人揃ってから寄越すから一時間はかかる、と店の男は言った、それでかまわん、と小男が言って、電話を切った…二十分後、部屋のベルが鳴った、やけに早いな、と小男は思ったが、それでも運転手の忠告のことはまるで思い出さなかった、小男は、早いじゃねえか、と言いながらドアを開けた、そこには奇妙なほどに黒い影のような人間が居た、目だけがマグネシウムの燃焼を思わせる色で輝いていた―それから半時間後、飛び
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