永らえる夜の中で/ホロウ・シカエルボク
人のあとをつけていた、二人の男は何度かそっちを振り返ったが、明らかに目に留まるはずのその奇妙な影はなぜか二人の注意をまるで引いていないようだった、二人の男はさすがに少し不安を感じていた、酒を飲んでカッとなってやったことだ、でも今更どうしようもなかった、なにもなかったようにホテルに戻り、明日の朝にはここを発つ、それで多分問題ないはずだった、タクシー拾おうぜ、と、小男のほうが言った、どうやら早く宿へ戻りたいらしい、大男も気持ちは同じだった、出来るだけ広い通りへ出てタクシーを捕まえホテルの名を告げた、運転手は頷いて車を再び走らせた、これで影は振り切られるだろうと思われたが驚いたことにそれはほとんど動きを
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