そいつのアパート/チャオ
 

腐れたものは夜中に処分している。
真っ暗な林にある、そいつのアパート。
もちろんお昼になると、その林も明るくなるんだけど
誰もそこを明るいだなんていわない。

そいつの隣の部屋のやつは昔、金メダルをとったらしい。
でも、今そいつの名前を知っているやつは、銀メダリストだけらしい。
後はもう誰もわからない。顔だって誰にも覚えられてない。

そいつの反対側の部屋のやつは昔、言葉を作ったらしい。
でも、その本を探すのは大変らしい。
今じゃ有名な作家が、その本の著作権を自分のものにしたらしい。
そのときそいつの反対側に住むやつの家系には、もうすぐ死にそうな兄が一人いて
兄のため
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