シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 
人質やったって、やっ
 ぱり思ってる?」
   寿道を見つめ、小さく頷く陽鞠。
寿道「それ、確かめたい?」
陽鞠「正直、分からへんくなってる」
   おにぎりを食べ終え、ナップザックか
   らピルケースと水の入った小さなペッ
   トボトルを取り出す寿道。掌に薬を
   二錠置き、陽鞠を見て笑う。
寿道「昼は二つだけ。朝晩は五つ。これでも
 少なくなった方」
   ペットボトルの水で薬を飲み下す寿道
   をじっと見ている陽鞠。

〇大阪市立中央図書館・一階フロア
   縮刷版をコピーしている陽鞠。

〇前同・エントランス
   向かい合っている陽鞠と寿道。
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