幽隠偶感/あらい
、随分おおきな箱庭に惑いこんでいたのだと気付かされる。もう淡彩の薄闇に梟と皿に或る。樹海の奥に隠れるように熨せられ。焚べた炎は限りあるときを大きく撓らせ、ときの香りを潜らせる。
調子を喪った指揮は風の便りよりヘタクソな仮称を相乗した
しかしこれといって変容もなく偏屈でもない
わたしたちはみなうつわにあり、うつわにかえるのだと。今微動だにせずとも翁、ただいまと築く。我の姿わかろうものなら、ひとつ、こしらえて見るといい、はなつ。
直に値するよう飛沫(しぶき)を見るような心地よさ。カンとして鈴の尾は高らかに振るい落とす。芯として願としてしつこくも遺る、これを骨格として肉付けを
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