詩の日めくり 二〇二二年十一月一日─三十一日/田中宏輔
ついて思いを寄せて、読者にお願いする。というマトリョーシカ的物語。
9作目は、「記憶売り」最終戦争のあと、無知が支配する世界となった。そんな世界で過去の哲学者や文学者の作品を憶えていて、それを金や物と交換する記憶売りが存在していた。しかし、彼らの存在は政府の邪魔だということで見つけられたら殺された。主人公はその話を書き残して、この短篇は終わる。この短篇は、ぼくに、レイ・ブラッドベリの『華氏四五一度』を思い起こさせた。
二〇二二年十一月二十七日 「トリップアウト」
10作目は、「トリップアウト」まだ読みはじめたばかりだが、つぎのような言葉を目にした。「パパジアンはなにも
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