詩の日めくり 二〇二二年十月一日─三十一日/田中宏輔
び寄せるが、鮫に襲われて妻は死に、自分も右腕を失ってしまう。主人公はもともと身体がよくなかった。ジーン・ウルフにしては、つまらない作品だった。
10作目は、エドワード・ブライアントの「愛につぶされて」二股をかけて女性と付き合っている男が主人公。眠っているあいだに骨が骨折していた。主人公は自由のきかない身体になっていた。女に呪いをかけられていたのだった。
11作目は、マイケル・マーシャル・スミスの「無理数の話」ぼくの好きな作家だが、これまたぼくの好きなジーン・ウルフといっしょで、このアンソロジーに収録されているものは、つまらない話だった。数に憑りつかれた男の物語なのだが、いっこうにつ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)